わたあめ

いまさら感を払拭できないんですがあえて『わたあめ』を。表紙はまさにお猿さん。チークをわずかに塗ったのか、南国の太陽に照らされてほんのり日焼けしたのか判断に迷うところですが、頬もほんのり赤くていい感じにお猿さんです。ここで誰もが気付く衝撃の事実。ファースト写真集と『わたあめ』この二冊の表紙を比べて見てください。え?!持ってない?そうですよね、つまりファーストに比べてかなり幼い(悪く言えばガキっぽい)イメージが強調されているんですよ。カメラマンが違いますからモデルに対する解釈の方法、コンセプト、UFAの投資金額も違うでしょうし違った写真集が手元に届くのは当然の結果なんです
がしかしですね、あくまで表紙限定の妄想ということで読んでもらいたいのですがファースト→サードの間に一年半という月日が流れていなかった(流れてはいけなかった?)さらには時間が逆行したような錯覚に陥ってしまうんです。その間にアロハロが存在するのですがアレは特殊。出版社から違いますし高級フランス料理店で年に一度のごちそうを食べる為におめかしして家族でお出かけしたようなものです。芸能界でプロとして成長し続けた彼女を前面に押し出してサード写真集の武器にしようという戦略ではないってことです。例えば一般認知度は4期までのメンバーに比べると格段に落ちるんだから新鮮さが命、表紙のインパクトで勝負!悲しくいえば最近モーニング娘。に入った高橋愛ですwみたいな考え。事務所はリセットボタンを押したくて仕方ないのかな?なんて皮肉な方向に持って行ってしまいたくなります。逆に言えばそれに対応できる彼女がすごいポテンシャルの高さを維持できてるんだと思います
私が購入した新宿の紀伊国屋書店においてもビル前のベストセラー等を店頭販売するブースで大きなポスターを掲げて販売していましたので誰かはいまいちわからない写真集を「表紙買い」する人っているんでしょうね。その為にファンが切望する「成長」を無視したような今回の表紙がセレクトされたのかなぁと思いました
ファーストよりセカンド、セカンドよりサードと、写真集って成長した姿に一喜一憂するものという固定観念を勝手に抱えていた自分の甘さを反省。でもずっとファンやっていると外面的にも内面的にも成長したよなと実感できた瞬間って結構感動するものですし、またその瞬間を見たいから懲りずにファン続けているんだと思うんです
で、ページを捲るとそこはアナザーワールド。ファンが期待してた、いやそれ以上のカットが怒涛の展開。なに?この表紙とのギャップ?カメラマンもしくはディレクターは絶対狙っただろ?って微笑んでしまうようなカットの連続なんですね。表紙のイメージを期待して買った一般の方がもしいるとすれば詐欺行為で訴えられても仕方ないくらいのミラクルなんです
私はそれぞれのカットを三種類に勝手に分類しました
日常モード・・・ガトーショコラを作ったり公園でパンダに乗ったりバスから顔を出したり。これは普段着の彼女を切り取ったオフショットといった感じで多くの写真集でも必ず挿入されているといっていい偽ものお宝ショット風カットでしょうか
仕事モード・・・制服を着て河原で黄昏たりビキニ姿で砂浜ではしゃいだり、ビー玉を見て鬱になったかと思うとボートの上でポーズを決めてみたり。彼女が被写体として意識しているシーンと言えばいいでしょうか。仕事をしている高橋愛って感じですかね。カメラマンの注文を手堅くこなしていくプロっぽさに思わず感動してしまいます。もう三度目ってこともあり余裕さえ伝わってきます。これも重要な成長のひとつとして私の脳裏に刻み込まれましたw
非日常モード・・・今回のメーンイベントはやはりここでしょう。わがままカメラマンのオナニー芸術的カットと切り捨てることは絶対できません。西田さんグッジョブです。真っ白なドレスでの水中シーン、それも顔が映っていないのが多数という反則的なカットが日常モード、仕事モードの中にいきなりカットインしてくるんですね。結構衝撃なんです。これの意図するものは何か?なんて考えるのもどうかと思いますがバレエと合唱と宝塚で培われた彼女特有の美意識みたいなものを表現したかったのかななどと妄想は止むことはありません。そしてラスト4ページの花びらが散った水面(ミナモ)に漂う、まるで絵画のようなカット。そう、まさにオフェーリアです。(画像)
これを発見したのはもちろん私ではありませんがこれだけ酷似してるとカメラマンの記憶のどこかに嘗て自分の目で見たジョン・エヴァレット・ミレーの「オフェーリア」が構図として存在し、無意識のうちにシャッターを押したと考えるのが無理のない解釈の仕方だと思います。でもあれって「溺死の女」つまり死体なんで縁起でもない話なんですけれどもw
なんか日常の中に存在する非日常って素敵じゃないですか。仕事に追われる毎日の生活でいきなり出現した夢物語の世界を探検していたら自分以外は誰もいない湖が目の前に広がりやがて安らかに・・・みたいな幻想を追いかけるのも時には悪いことではありません。自らの身体が欲してるからこそ自分を解放する瞬間にときめいてしまうわけです。もう誰の為に誰になって妄想をしているのか視点があやふやになってきましたが、水という小道具を上手に使い幻想的な高橋愛さんを見ることができて大変満足させてもらった写真集でした
残る疑問は何故わたあめなのか?ってもう表紙限定タイトルって感じです。ちなみに私が一番気に入ったのは「おでこビー玉」です。どうも少数派らしいw
あと、裏表紙の帯がちょうどビキニのバスト部分と被っているんですが帯を外したからといってな〜んにも事件は起きません